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二十一世紀情報産業
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21世紀情報産業ネットワーク協同組合
理事長だより:NET21ワールドレポート
2007/05/03(567)
 昨日から五月。まさに風香る季節です。毎日、立花という神話に登場する場所から、文花にある天真庵まで、元気と歩きながら通っている。途中に「文花住宅」という団地がある。都営の団地で、独居老人とか、生活保護を受けている人たちが、多く住む町。ぼくの生まれた北九州も「鉄の町」で、新日鉄の団地がいっぱいあり、それを彷彿させるような懐かしさがある。

少し言い方が微妙だけど、東京都の中にあって、かなり所得が低い層の人たちが住む団地。だけど、ベランダや、団地の中の公園には、花が咲き乱れ、インコとか飼育されている鳥たちの歌声が聞こえ、そこからでてくる子供たちの笑顔が、最近の子供たちにはない「明るさ」があって、とても気持ちがいい。「サムマネー」は必要だけど、貧乏というのは、子供を育てたり、人間を陶冶するには必要なことだと思う。

その文花団地に住む独居老人のNさんが毎日珈琲を飲みにくる。だいたい開店前にこられる。少し足が悪くて、杖をつきながら、毎日キラキラ橘商店街の帰りに立ち寄ってくれる。ゆっくりとカウンターの端からふたつめの般若君のイスに座ると、「今日のストレートは何?」と目を輝かせる。昔どこかの専門店で飲んだコロンビアの一杯が忘れなれないらしく、「モカ、ブラジル、ガテマラ」・・を飲んでも、「以前バスで通った平井の「・・・」で飲んだコロンビアが忘れられない」話を懐かしそうに話す。そして、毎日の買い物をやわら見せてくれて、たとえば「今日は餃子を作るので、きゃべつはどこどこ、肉は派出所の近くのなかそ、 ・・・・」といった話をし始める。朝から酒飲みの繰言を聞くみたいだけど、誰しも「いずれいく道」なので、毎日楽しく繰返されるレシピの話なんかを楽しそうに聞いている毎日。少し認知症なんだろうけど、料理が大好きなので、レシピの内容や分量が的確なのだ。

そして、「今日の珈琲は、少し苦かったけど、近くの珈琲屋の珈琲よりはおいしいので、500円の価値があるわ」といって、ワンコインを 置いていかれる。そして最後に「手を抜いてはだめよ。手を抜かなければ、このお店はきっと繁盛するからね」と母親みたいな慈悲深い笑顔をおいて、文花住宅へ帰っていかれる。彼女の部屋の家賃は1万7千円。毎日珈琲を飲みにきて、お変わりすることも多々あるので、家賃と同じくらいの金額で、ぼくの珈琲 を飲んでくれている。やはり「手が抜けない」思いがする。

感謝/野村拝


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